2022-01-01から1年間の記事一覧
2022.12.13 中学時代大好きだった女の先輩Aと、ふたたび高校で一緒になる。彼女はわたしが高校二年のとき、東大に行ったはずだが? 高校の制服は刷新されていてひらひらしたカーディガンを着る。その色によって学年がわかる。授業は学年関係なく好きな席に座…
夕方、保健室前、焦茶色の皮椅子の上に、わたし宛の封筒が落ちている。そこにはわたしへの悪口が便箋四枚に綴ってある。罫線をはみ出す汚い字。赤いペンと黒いペンの二色づかい。差出人は「クラス全員より」となっている。 内容は、男子と仲良くするなといっ…
わたしはまだ高校生くらい、朝帰りが多くなる母親、男の影がする。ある朝、上機嫌な母親は、子猫を二匹持って帰る。男の家にいたんだろ、と責め立てると、なにが悪いの?と開き直る。その猫は男の家から引き取ってきたものだ。わたしは猫の首を絞めるが、手…
アリスと狼が螺旋階段をくるくる周り、追いかけっこしている。アリスが捕まれば食べられてしまう。手に汗握りながら見る。二人は階段を行ったり来たり、手すりの上まで使って、とうとうアリスは逃げ切る(階段の上へ?下へ? そもそもこれは赤ずきんではない…
学校に行こうとする。紺の揃いの靴下が見つからない。母が出してくれるが、すべてにおかしな柄が入っている。わたしはこんなのじゃ校則に違反してしまうと怒る。その中で、唯一あった、無地のよれよれの靴下を履いて外へ出る。自転車で学校に向かう。この自…
弟が自殺した。学習院の高校に受かったばかりだったのに。緑の自転車に学校名の入ったステッカーが貼ってある。前輪が小さく歪んでいる。恋人とは不仲だ。連絡しようか迷う。でも、このことを口実に連絡したと思われるのはいやだ。本当は泣きつきたい。隣の…
これは夢じゃなく現実で、わたしは九月十四日に京都に行って、まりもさんにサインをしてもらう。 会誌の中の「え・と・ら・ん・じぇ」という小説。誇張ではなくわたしはもう百回は読んでいて、京都に向かう新幹線で百一回目を読む。持参した油性ペンを渡して…
霧のような雨の降る夏、わたしの代わりにクラスメイトに悪事をさせる。わたしは木に隠れて雨宿りをしている。いじめの告発文を書いていると、Iから連絡がくる。「L展に来ないか、もう間に合わないか」という内容。今は17時過ぎ、場所は代々木だ。Lは女を手玉…
芝居に参加することになる。各々に持ち時間がある。みんなは数人で舞台に立つ。わたしは一人芝居をすることにする。使うのは二段ベッド、そのまわりにぐるりといろんなものが積んである。わたしはそれから注意深くものを引いていく。足すことはできない、も…
木製の大きな箱に入って、川でデモをする。川でそれはぷかぷかと浮き、人の流れにより前進する。川のへりには短い言葉が書かれていて、それを順番に読み上げるだけで、抗議文となる。(戯曲のように、よく組み立てられた、箴言のような、鋭い言葉)道を歩い…
古い綺麗なお屋敷の中にいる。本棚が並んでいてその隙間には花が至る所に咲いている。長いこと誰も手入れをしていないそこは、近々売りに出されるか壊されるかしてしまうらしい。わたし、ここに住みたい、と壊れかれた壁をつつきながら言うと、持ち主の少年…
夜、弟がわたしが飛び降り自殺しようとしているのを聞いて、彼も真似しようとする。まだほんの小さな子供だ。羽交い締めで止める。ベランダが続いているリビングでは父親が帰宅して家族の団欒。煮魚の匂い。わたしはそんなことしている場合かと叫ぶ。目が血…
友達と遊んでいると、男の人が入ってくる。君も降りてこない?と言われるので、階段で地下まで行く。そこにはたくさんの男がいて、暗く、パーティーのようなことをしている。わたしは彼の顔がとんでもなく整っていることに気づく。男たちはどんどん増えてく…
卒業式、Kさんと日直なので、給食を取りに行く。階段を上がると物理の教室や視聴覚室に出てしまう。わたしは生物・化学室に行きたいのに。 給食のために、給食準備室に行こうとすると、Hがいる。ここでなにをしているのかと訊かれる。わたしは日直だから給食…
揃いの水色のワンピース、受験が終わった。わたしは230番台なのだけれど、掲示板に数字がない。落ちてしまった。会場には高収入のアルバイトのビラが落ちている。ビラを配るだけで時給1500円から1850円だという。それを見た女の子二人がはしゃいでいる。わた…
アリス・リデルの星座がなんだったかっていうことはもうとっくに調べられてて、真っ赤に燃える蠍の火で、それを一服して彼女は死んだわけなんだけど、かつてだれしもがそんなクリームソーダを飲んでいてね、クリームソーダは飲むとまず血液中を広がって全身…
出産することになる。破水もない、大した痛みもない、上顎にできた穴をいじっていると大きくなって破けてしまう。歯医者が直してくれたのに。横たわって目覚めると口の中が膿と唾液でいっぱいになる。積んである服の上に吐き出す。黒い服が汚れる。わたしは…
エヴァンゲリオンとは、ニセモノの細木和子に現実の人間が心を支配されているようなものだ、という気づき。 新作のエヴァンゲリオンの映画を観た後、自宅に戻るための道を走って移動すると、突然中国人が出てきてピタリと止められる。街中の至る所でパニック…
「魔術の抱擁は魔術の進展に役立つ」 修学旅行、Aの隣で寝ている。わたしは薄い掛け布団をめくって、Aの布団に潜り込む。Aの方に向き直る。抱きしめてください。Aとしばらく問答になる。Aは最後に「僕には妻がいるから」と言う。わたしはあなたはBとお付き合…
高校生の夏休み明け、クラス替えがあってわたしはぎりぎり二組にいくことができた。成績を半分に割って良いものが一組二組、悪いものが三組四組に分けられる。わたしは最後から数えて何番目だっただろうか。見上げると前列には真面目にノートを取るA。半袖の…
クラスでお見合いパーティーがある。気になっている人の控えている部屋に行って、話をするというものだ。その前に絵を描く。わたしはなかなか描けず、色塗り途中でキャンパスを置くことになる。その後、自己紹介がある。わたしは数言話して、席に座る。 控室…
高校時代、わたしはAのことが好きだ。部屋を出ると、Bと仲良く話している。二人はトイレに行く。出てきたAにBはモルカーのタオルで口を拭くように言う。すぐに!と。彼女が使った後でそれは湿っている。彼は言うことを聞く。わたしはその下にかけられた、ピ…
小学生のころ、クラスの離れた男の子を夕ご飯に誘う。彼の服はいつもぱりっとしていて強い粉石鹸の匂いがする。今日の夕ご飯はホルモン煮だ。うちではごちそうなので、××くんもよろこんでくれるだろうと思う。彼がうちにくる。家族全員が食卓を囲んでいる。…
学校に荷物が届く。練炭と七輪と大量のお菓子。スーパーで助けた人に電話番号をおしえたのだ。どうやって住所を調べたのだろう。長い手紙。ぷくぷくシールで文字が書かれている。今日の日直はAちゃんだ。みんな名字で呼ばれているのに彼女だけ下の名前で呼ば…
形見分けでいただいた古川沙織さんの責め絵を売ってしまう。ドブに落ちる。身長よりも深い。嫌な匂いの水から上がる。広い会場に行く。木製の額縁に入った彼女の絵は何個も見つかるけれど、わたしのものだけ見つからない。大声で叫んで会場中の人に探しても…
Aと恋仲であるが、Bと親しくなる。 Bとは手紙を交換し続けている。木製の引き出しの中に、同じメモ帳(小学生が使うような絵柄)に手紙を書いては戻している。さながら交換ノートのようだ。彼の字は斜めに傾き尖っている。わたしはBの試験がうまくいくように…
Kが赤いブレザーを着て雨に濡れながらふらふらと歩いている。荷造りで傘をぜんぶ送ってしまいましたと言う。こちらに向かって倒れる。わたしは膝の上で抱き止めて、彼のブレザーを絞る。赤い水。横ではA(かつT)が桃色の豪奢な着物を着てぐったりとしている…
女の子が男の子に話す。どこかの町の話、人が一人死ぬと家の電気が一つ消える、人が一人生まれると家の電気が一つつく。二人は山の上のようなところから町を見ている。ついたり消えたりする明かり。 男の子が眠った女の子をおぶって歩いている、朝日がのぼっ…
12月30日 全身麻酔が効かない。手術台に横たわっている。今から麻酔を入れますと言われるが、息を吸っても意識が落ちない。医師が麻酔の濃度を上げる。深く吸うのではなく浅く吸うように指示されるが、それでもだめだ。わたしは病院を抜け出す。手術着のまま…