わたし、ショートカットの女。ワンマン電車に乗って通学している。著しい光。いつもそこに立っている赤いトレンチコートを着た男のことが内心好きである。 学校にあまり通えない。心配している男の担任の先生の家に泊めてもらう。彼の実家のようなところ。母…
ふたりで布団に横になっている。わたしは恋人に「ばぶ」と言いなさいという。大人で赤ちゃんをしているのはあなたと世界仰天ニュースに出ていた人くらいだ。馬鹿をやるのはコロコロコミックに準ずればいいけれど、ばぶは才能だ、というようなことを言う。恋…
学校にも家にも居場所がない女の子が、強姦されて母親が死んで、湖に転がり落ちて自殺をするお話。 ムシェットはちょっと不良でみんなから浮いている。学校で讃美歌を合唱する中、彼女だけ歌わない。先生に目をつけられて一人で歌わされると、節を外してしま…
自分の脚を型にして人形を作ってデザインカッターで割るところをずっと見られている。 痛みで声が出る、皮膚まで一緒に切っているのだから。息も絶え絶えに聞く。あなたはどうして××に固執するの、あなたならどこだって行けたのに、それはJが××大学に行った…
いじめを受けて男子校に転校したのだけど、とても毎日が愉快。朝の読書時間中、机の上にグリンピースやスティックシュガーがぶちまけられる。
夏、サークラの合宿に行く。宿は海辺で、窓を開けたらすぐ海がある。早朝に目が覚めると、浜場にHとMがいる。ラジオをしているのだ。わたしは窓を開けて声をかける。「わたしもそっちへ行っていい?」「潜ってきてくださいね」服のまま窓から海へ飛び込む。…
バレンタインデーの日、教室の後ろの棚に、飴の入った袋が並んでいる。三角形のいちごの飴が入った袋を選ぶと、Tが話しかけてくる。いいものを選んだね、俺のと一つ交換しよう。彼の袋に詰まっているミルキーは知っているものよりひとまわり大きい。その理由…
学校から帰ってくると、母がスーパーのお弁当をたくさん買ってきている。とても食べきれない。すべて床に置いてあり、蓋が開けてある。揚げ物ばかりだ。菓子パンもたくさんある。お母さん、こんなに食べられないよ、と言うと、いいのよ、と笑う。母の頭の悪…
Aちゃんのお父さんが亡くなる。 生前親しくしていたわたしとBが、学校を早退して何かに向かう。わたしたちはそこにいくつもりなんてない。学校をサボるのだ。制服だとバレてしまう。近くのスーパーに寄って服を買うことにする。 Aが花を眺めている。それはネ…
母親、わたしに呪い殺されるようにどこかの民族に伝わる呪いを、自分で自分にかける。これをすると、七年寿命が縮まるのだと笑う。わたしはそんなものあなた一人の思い込みだと言うと、私が死んだ理由は周囲のみんなに広がるのだと返される。 不気味に思って…
あなたの名前の由来を当ててあげよう、と言うおじさん。わたしは自分の名前をさらと告げておじさんをにこにこくねくねしながらじっと見る。なにを言っても同じ状態でいるとおじさんは自分の言った中に正解はないという。あったのに。わたしはそばにあるボッ…
アドリブで演技をする。男の子が川岸から落ちて灰色の薔薇のところで頭を打つ。戻ってくると、血。彼はわたしのことを好きになっている芝居をする。その瞼にはアイシャドウを塗っている。彼はわたしの指を口に含む。おでこの血をハンカチで拭おうか迷う。わ…
Aが人を弔った話を聞いたという。念仏を唱えるのではなく、ううと言いながら臥せた犬を三回押さえるようにするらしい。
修学旅行に来ている。好きな人とその好きな人は同じ班で、わたしは違う班だ。彼は髪をいつもより短く切っている。その姿はどこにいても見つからない。畳の上に座っていると、昨日会ったばかりの男に後ろから抱きしめられる。対抗して頭を殴って逃げる。薄暗…
9時に起きる 高校の長距離走に参加する。蕎麦粉置き場から走り始めるのだが、わたしはそれに遅れてしまう。母が車で追いかける。ナンバー9の駐車場に車を止めるとAさんと茶髪で痩せた髪の長い女が立ってにこにこしている。そこに車を止めるのはいつもさらち…
テレビをつけているとAさんについてのドキュメンタリーが始まる。わたしが興味を持っている女の子だ。録画をしようか迷い、やめる。 AさんはB大学××学科を卒業後、Cに就職。△△で新聞に載り、と続く。動画で観るAは写真で見るAよりも随分かわいらしい。光る目…
学校、席に座っている。全然解けないxの問題。なぜかしつこく男がわたしに「血液型はB型だろう」と言ってくる。A型じゃないと思ったからだそうだ。それならば2番目に多いO型を出すべきでないかと言う。彼には何らかの意図を感じる。わたしの彼氏は血液型を知…
高校生。修学旅行かなにかの団体行動から逸れて、浅い水辺を走っていく。水底にはコンクリートに丸い石が敷き詰められている。友人と五人で走っていると、プレハブ小屋のようなところに着く。みんなで楽しく走っていたはずが、いつのまにかわたしが鬼のよう…
6月26日 7時半ごろ 理科の授業。少女がキャベツを使って麺が青緑になる実験をしようとすると、重曹を使って先生が同じことをする。キャベツを選んでいた他の女の子が暴れる寸前で取り押さえられている。わたしは彼女に水をぴっぴっとかける。彼女は抑制が効…
好きじゃない男と結婚する。わたしは彼の名前も名字も知らない。リハーサルの紙を見ると、あいだつよしとある。なんどもなんどもその名前を頭の中で唱える。間違えないように。ウエディングドレスを着る前に黒いブラウスを着せられる。襟だけ白い。その上か…
顔に入れられた三つの刺青の周りが真っ黒になっている。壊疽だろうか。これから働かなければいけないのに。化粧で隠そうとする。タイムカードを九時からにしてくださいとお願いする。これを掘ったあの人の顔にはなんにもないのになぜわたしの顔に刺青を掘っ…
ミニシアターに行く。一番後ろの席。そこにはカゴの中にたくさんのCDが無造作に入れられている。そのジャケットが少しずつ本物と違うのに気づく。デザインは一緒なのだけど、アーティスト名やタイトルがもじられている。全部だ。感動して底の方まで掘ってい…
体育館、演劇のゲネ?なのにレパを覚えておらず、自分一人だけ持ったまま舞台に乗る。先輩はいろんな女の子にりんごを持ってきてもらっていて、とんだプレイボーイだと思う。季節外れの大きな蝉の声。突然みんなが舞台下に隠れる。大袈裟だとしばらく練習を…
6月9日 5時ごろ 大学生。M先生の講座を取る。それは就活の準備で、みんなおのおのが企業のパンフレットを持っている。そういえば入り口に色とりどりのそれが並べられていたっけ。わたしは教壇のところまで行く。京都の文化施設のパンフレットがいくつかある…
綺麗な顔の男とその彼女。彼女は精神が不安定だ。私のベッドの上に二人はいる。男は彼女に安っぽい手紙を渡しては不安にさせる。関係をやめようだとか離れようだとか書いてある。ある晩、彼女がいない。クラスメイトが二人いなくなった(なにごとかあった?…
プロレスラーに回される。43キロ。お祈りに数秒間に合わない。
精神が不安定になると狐の絵を見る。ここは大学。情報と文書と声楽が学べる。潜った授業がおもしろいから、次の時間も入ろうとするが、続けて二回同じ先生が授業をするはずがない。Mちゃんとその友人たちがおなじまちがいをしている。タンポポの花で皮膚病の…
父親が家に帰ってきている。わたしに友人をたくさん呼ぶように言う。数人の友人が集まる。わたしは二段ベッドの上で一人で澪を飲んでいる。父親がわたしの友人たちをベッドの上に上がるように言う。ベッドが散らかっているのでタオルで隠すが隠し切れない。…
わたしは高校生になっている。家で宿題になっている数学の問題集を解いている。薄暗い部屋。xのややこしい計算。範囲までまだやり切れていない。隣に弟がいてそれを見ている。どんなにやっても答えが合わない。わたしは学校にいる。やはりまだ宿題が終わって…
免許がないのに車を運転している。足で運転しているときは安定しているのだが、手を使うとおぼつかなくなる。アクセルとブレーキが手元にある。団地の駐車場にバックで止める。斜めになっていたので一度止め直す。すぐそばに町内会長がいる。焦りながらも平…