Aちゃんのお父さんが亡くなる。
生前親しくしていたわたしとBが、学校を早退して何かに向かう。わたしたちはそこにいくつもりなんてない。学校をサボるのだ。制服だとバレてしまう。近くのスーパーに寄って服を買うことにする。
Aが花を眺めている。それはネモフィラというのですよ、と店員。何かお探しですか?と訊かれるので、とっさに私服が欲しいのです、と答える。わたしとAは制服が隠れるほどのエプロンをしている。Bはしていない。田舎から来たので、と苦し紛れに付け加えると、店員はギャル服の店を教えてくる。わたしはスーパーの二階のダサい洋服コーナーに行きたかったのだが。
熱帯魚を売っているコーナーでふと壁を見ると、わたしたちの学校の制服を着た女の子のポスターがある。夏服の緑と灰色のチェックのスカート。この店と学校は繋がっているのだ。しまった。
飲食店へ向かう。途中のファーストフード店では、うちの学校の生徒がいっぱいにたむろしている。空気は煙草を吸っているように、白く澱んでいる。そこに入ろうと思っていたら、Aは洋食店に入っている。お客さんはわたしたちしかいない。白い糊のきいたテーブルクロス。初老の男のウェイターに、Aは白身魚のピカタを頼む。1600円だ。ここの名物らしい。かつて豚肉のものがあったはずなのだが、それしかない。わたしも同じものを頼む。