高校生。修学旅行かなにかの団体行動から逸れて、浅い水辺を走っていく。水底にはコンクリートに丸い石が敷き詰められている。友人と五人で走っていると、プレハブ小屋のようなところに着く。みんなで楽しく走っていたはずが、いつのまにかわたしが鬼のようになっているのが嫌になる。針金でできたフェンスをがしゃんと閉められるので、力一杯開けると開く。そこにはドラム缶が一つ。わたしは五人をドラム缶に入れていく。最後の二人のうち、一人の男Kの首を絞める。Kもわたしの首を絞めかえす。わたしはだんだんと体から力が抜けている。苦しくはない。手加減されているのだ。意識のあるまま地面に落ちる。瞼がぴくぴくしていないか気にしている。それは起きている証拠だから。Kはわたしの脈を取り、側に落ちていた青いビニールシートまで移動される。火がつけられる。すぐに体まで伝わる。熱い!
目が覚めると学校で、わたしは席に着く。机に並んだシールのたくさん貼られた文房具がとたんに子供っぽく汚らしくみえる。Kに、わたしが夢に出てこなかったかを訊く。首を絞めたりしなかったかと。Kはいい人なのだが、明らかに気持ちが悪いと感じる顔をしている。どこまでが夢でどこまでが本当なのかわからない。実際、この前の旅行では、わたしだけ集団から離れて遠くに行っていたらしい。
KとSが妻の話をしている。Kは結婚しているのだ。途端にそれがうらめしくなる。別にわたしはKのことが好きではなかったのに。なぜ相手はわたしでないのだろう。
朝読書の時間が始まる。本の文字が大きくじゃきじゃきになっていて、読むことができない。わたしは読書ではなく数学の宿題がしたい。まだ終わっていないのだ。もう教室にいるのが嫌になる。保健室に行こうか、わたしは狂っているのだから、行ってもいいだろう。数学の授業も受けたくない。