学校にも家にも居場所がない女の子が、強姦されて母親が死んで、湖に転がり落ちて自殺をするお話。
ムシェットはちょっと不良でみんなから浮いている。学校で讃美歌を合唱する中、彼女だけ歌わない。先生に目をつけられて一人で歌わされると、節を外してしまう。クラスメイトにくすくす笑われる。
いけすかない学校を抜け出すと大雨に見舞われてしまうが、密猟者の男に匿われる。酔った男から人を殺したと打ち明けられたところを、「みんな嫌いよ、騙してやる」と返すのは最高にクール。
男は全て話すと、突然倒れて血と泡を吹く。
ムシェットは紙で口を拭ってやって、学校で習った讃美歌を歌う(ここでは節を外さない)。
すると男は目を覚ます。とつぜん豹変したように彼女を追い回し、暖炉まで追い詰め、強姦する。
ムシェットは家に帰る。母親は病気でずっと臥せっている。
昨晩遭ったことを打ち明けようとするも、疲れ切った母親から、赤ん坊の面倒を見てくれ、と頼まれる。わんわん泣く赤ん坊。牛乳を温めようとするもマッチがなくコンロが点かない。服のボタンを外し、哺乳瓶を胸に入れて温める。
酒をくれ、という母親。ムシェットは与える。飲んだ分だけ瓶に水を入れて薄める。
そのまま母親は死んでしまう。
ムシェットは赤ん坊の牛乳を取りに行かないと、と外出する。道すがら、コーヒーを飲んでいきなさいというカフェのおかみ。人はいずれ死ぬのよ、と言われる中、パンをコーヒーに突っ込んでむしゃむしゃと食べる。おかみはムシェットの空いた胸元を見て、情事の跡を見つける。ふしだらな、と責めるおかみにむかついたムシェットは、パンを投げ捨てコーヒーカップを割って店を出て行く。
次に寄った家ではやたら布にこだわるおばさんから服をもらう。葬式にはサシャを持って行くという。
湖まで来たムシェットは、もらったワンピースを広げて胸に当てる。足元に生えていた草がその裾をびりびりに破る。ムシェットはワンピースを抱えたまま坂を転がる、一度、二度、草が邪魔する、三度目で湖に転がり落ちる。そのまま、浮き上がらない。