夢日記

夢がないのにユメちゃん、未来がないのにミラちゃん

幻覚剤の夢

幻覚剤を売って日銭を稼ぐ男。小さな銀紙を口に含むと銀河と猫が見えて束の間幸福になれる。

花見をしている集団。老人を中心に豪勢に肉を焼いている。老人が何時までここにいるのかと問うので、この辺りを散歩している、またここに戻ってくると答える。すると十八時に××が一階に入ったビルにおいでと言う。その瞬間、彼のことをお兄さんと呼んでいたのに、おじいちゃんと呼んでしまう。見た目によらずとんだ成金だ。まあ、貴重品と銀紙をすり替えてしまおうと思う。

母を亡くして進学費用がない少女、肩まである黒髪を頭の形がよく見えるように梳いてある。平成の髪型だ。そしてあまりにも顔が整っている。風俗しようかな、と、泣きながら大きなベッドに座ったわたしを覗き込む。わたしは風俗嬢から成り上がり、キャバレーとソープランドを経営している。やめておきな、お金はわたしが出すから、死んだお母さんが悲しむよ、と言う。

場面は変わって公園。幻覚剤で猫を見ている気味の悪い集団。少女は男に、あれが欲しいの、と言う。男は泣きながら彼女の息ができなくなるくらい、幻覚剤を口の中に押し込む。いつしか銀紙はトランプとなっている。トランプにまみれた少女は手書きのカラフルな猫の幻覚を見ながら、薬の過剰摂取により死ぬ。

りっちゃん(2009年)

りっちゃんは携帯を一心不乱にいじっています。ぐらりと揺れた電車の中、わたしの体はりっちゃんの鞄を引っ掛けた肩に思い切り傾ぎました。りっちゃんは鞄を足の間に挟んだりしてない。よかった。りっちゃんの学生鞄には色々がじゃらじゃらついてて特に目をひくのがスティッチのぬいぐるみ。わたしが教室で「懐かしい!デジモンだあ!」って言ったら空気が凍った、あのちょっとコワもての。りっちゃんの指は規則的に動いてる。祈るように真摯な目。なにを打ってるのか、あとすこし、あとすこし、近付けば見れるのに。念じていたら酷いブレーキが、かかった。わざと眉をひそめてりっちゃんに思い切りもたれて、わたしは見た。りっちゃんの携帯の画面は一面オレンジだった。何故か猿の絵文字でうめ尽くされてる。それは現在進行形で。親指を縦にスライドさせるたびに猿はりっちゃんの携帯に増殖していく。目にも止まらぬスピードでりっちゃんの指はこのままいけばみっちり限度、一万匹の猿を生み出す。りっちゃんは猿の大群を誰かに送るのかな。きっと送らない気がする。りっちゃんの祈りは長すぎて悪戯メイルとしてはどんびきだから。りっちゃんは今を潰すために猿を産んでる。潰さなくてもいいのに。わたしはりっちゃんをこんなに見てるのに。繋がる機械を握り締めたふたりはもしかしたら二度と近づけんかもしれんのに。りっちゃん。りっちゃん。りっちゃん。りっちゃん。繋がらない機械を思い切り握り締めたら手の中できゅうと鳴いた。

演劇の夢

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夏、ベランダから吹く夜風に当たっていると、メールが来る。明日の演劇の本番に人が欠けてしまった、台詞は二言しかない、かわいい衣装だ、ぜひ出ないか、というもの。承諾する。翌日、新幹線の女駅員の役で、○○行きですといったような台詞。上着のフックが取れたので、片手で直しながら言う。ああしくじったと思う。夏のプロデュース演劇はいくつもあった。わたしはどれも声をかけられていない。大学生最後の夏だったのに。ひどく悲しくなる。

Y.K君の夢

小学校のとき一緒だった、Y.K君と出会う。

大学の入学式の後、人の流れに沿って歩いていたら、朝礼でなくミサに来てしまった。それももう終わりかけである。みんな讃美歌を歌っているがわからない。
隣にいるのは、Y.Kくんだ。相変わらず色が白い。君は××君でしょう、と上の名を呼ぶ。そうだと言う。次に下の名を呼ぶ。彼は不思議そうにしている。あのときカービィーの漫画を自由帳にすべて写して朝読書の時間に読んでいた、と言う。彼は何かを思い出す。わたしのことも知っていると言う。中学のころの模試の結果で名前を見たそうだ。
Y.K君は文学部だと言う。いいなあとわたしは羨やむ。わたしは隣に併設された女子大の情報系の学部にいる。ちっとも行きたくなかった。
英語の授業がある。みんなコスプレに着がえる。わたしは持ってきていない。あわあわしていると、誰かが椅子の背に服をかけてくれる。知らない男の子だ。その子の友人が買ったのだが、サイズが合わないらしい。
授業のチャイムが鳴る。急いでプールの更衣室に走る。帰ってくると英語の先生が怒っている。英語の先生の隣に、授業を進める別の先生がいる。この授業は人形について英語で学ぶのだ。この人は人形に詳しい。英語の先生は彼女に謝りなさい、と言う。わたしは誠に申し訳ありませんでした、と丁寧に謝り頭を下げる。そして彼女の人形の話で意気投合する。英語の先生がその辺にしておきなさいと我々を止める。

席に帰ると、隣にいたY.K君が机ごといなくなっている。前にあるスクリーンに、僕はサロメハムレットも学びました、それを冒涜しないでくれ、というような文章が流れる。文章には顔文字が二つついている。精一杯の嫌味なのだろう。彼は退学届を出しましたよ、と誰かから連絡される。わたしはせっかく彼と仲良くなったのに、と悲しくなる。かかってきた電話番号を英語の先生が読み上げたので、シャープペンシルで机にメモする。うまく聞き取れない。八桁のこの番号は間違っていると思う。

 

結婚式の前撮りの夢

結婚式の前撮りをする。わたしはAに一眼レフで写真を撮られている。した記憶のないポーズ。ガラスの箱の中に横たわって丸くなり、片目は正面、もう片目は真横を見ている。斜視のようだ。足元にはピンクのビーズでできた猫耳のカチューシャがある。ああ、これは、死んだ猫のことですね、この箱は棺、わたしたちは同じお墓に入るのです、と言う。Bはわたしになぜ結婚式に呼んでくれなかったの、と不満げだ。わたしは写真を撮るためで挙式ではなかったの、と返す。違う、本当はこれが結婚式なのだ。親族も誰も呼ばないだけで。長いドレスでお手洗いに行こうとすると部屋中を引っ掻き回す(これは人間座の裏口のトイレで、わたしは幕間にいる)。恋人は12時すぎのバスに乗って帰るので、見送りをする。

アルコール依存症の病院、バレエの夢

アルコール依存症の病院に入院する。財布と携帯は持ち込み不可だと言われていたけれど、現金は持ち込めるらしい、お財布からお札を抜く。ピンクのウィルコムに入っている電話番号を紙に書きつけて、恋人に入院するから連絡が取れませんとメールを送る。病院の売店にはビール(アサヒスーパードライ)が売っている。あてがわれたのは二人部屋で、隣の人はさっそくビールを買って飲んでいる。わたしはミルクティーをコップに注ぐ。売店でキティちゃんのシャープペンシルと文字の練習帳を買い、ここで有意義に過ごそうと思う。

 

なにかのオーディション。夜にオレンジの光。いろんな肌の色の女の子たちが揃って黒い練習着を着ている。話せる言語で割り当てられる時間が決まっている。わたしは試験を受けようとするが、英語が話せないので係員にはじかれる。そう、ここでは踊りを踊るのだ。列から立って初めのステップを踏むと、足が床を滑る。シューズを履いていない。ごめんなさい、やり直したいです、シューズを履かせてください、と頼むと、初めは断られるが、たどたどしく英語で謝ると許される。初めのパはエスメラルダのバリエーションと同じ、そこからモダンバレエのようになっていく、わたしはだんだんついていけなくなり、そのまま倒れる。時間は巻き戻る。初めのシーン。わたしの上に黒い緞帳が落ち、身動きが取れなくなる。苦しい、しかし、その姿は、まるで豪奢なドレスを着ているようでもある。

三井gの夢

Aと親しくしていると、おかしなメールが届く。放置していると、固定電話がかかってくる。三井gこと三井亮という女から、おまえの叔母B(正しくはBは年上の友人であり、血縁関係はない)は今日Aの家にケーキを作りにいく、自分はそれをどうしても止めたいのだ、と言う。わたしは呆れて、そんなにもAと仲良くしたいならあなたから関係を築けばよい、ということを繰り返すが、gは興奮して話を聞かない。しばらくするとgの家にチャイムが鳴り、一方的に電話が切れる。わたしはAの家でふたりで酒を飲み、こたつで寝たこともあるのだが、と意地悪を言おうとして、言いそびれてしまったなあと思う。そうしていると、二切れほど残したチョコレートでコーティングしたケーキと共に、Bが家に帰ってくる。皿には食べかすが散らばっている。