夢日記

夢がないのにユメちゃん、未来がないのにミラちゃん

鍵を奪う夢

12階の女になんかされる。車に乗っている。河原町丸太町の警察に電話しても適当な対応しかされない。親に言っても最近のオーブンレンジを買わないとどうしようもないと言われる。ここはどこを見ても電気屋だらけで、外に並べられているものは十万以上する。自分で解決するしかないと思う。家に帰ると、大森靖子の歌を歌っている女がエレベータに乗っている。12階のボタンを押す。俺は11階に住んでいるから、なにかするとしたらこの女かその隣の部屋の女だ。俺もボタンを押さずに乗る。iPhoneの動画をオンにする。12階に着く。正面に回り込んでエレベーターから降りた女の顔を撮る。女は怪訝そうな顔をする。俺は女から鍵穴を奪う。ついでに鍵も奪う。取り合いになり、キーホルダーが取れるが俺が鍵を手に入れる。女の胸ポケットから紙の束を抜き取る。女を外に追いやったまま女の家に入る。女は抵抗するが、鍵を内から閉める。もう中には入れない。紙の束を読む。本屋のシフト表のようだ。この女は売春をしていると踏んでいたのに。女の部屋に行く。ふと親がこの女が今流行りのシンガーソングライターで、これから同じような男と同棲をするのだと言っていたことを思い出す。俺の作った歌も俺の部屋のベッドも、すべてこの女に取られてしまった。

十八の詩

金の卵は
死守すべき
ちぇいしん荒むわ

タッチしたら
電車ごっこ
一生終わるわ

搾取の階層
見ちゃダメと
目隠しされたわ

指の隙間
ありありと
外が見えたわ

最後の一滴
顎外して
皆 空を見てるわ

腰を締めて
髪を結って
靴を鳴すわ

容赦せず詐称
がちがち
舌噛ませるわ

声のない大衆は
もはや敵ではないわ


(2010.04.18「格差」)

母親の夢

実家に帰ると猫がいない。名前を呼ぶと洗濯ネットとタオルハンカチに絡まってよろよろとあるいてくる。急いでそれを取ってやる。大きさが子猫のようになっている。母親が奥から出てきて猫を抱く。健康な若い猫が欲しいという。わたしは怒る。

母親は町内会で月に25000円の積み立てをしているらしい。それは貧乏な人のところへ充填される。この前は八尋ちゃんの成人式の振袖を、と言うので、わたしは激怒する。あんなもの着なくてもいいのに、わたしはようやく今の年になって振袖を自力で買ったのに。母親は振袖を着るのは自分のためでなく親孝行だと言う。

母親には男がいる。それはしょうもない贈り物をくれる。訳のわからない趣味の悪い鞄。わたしはせめてcoachくらい送れよ、と悪態をつく。母親の一つ前の男は、叔母に取られたらしい。弟が××ちゃん(うちでは叔母のことをちゃんづけで呼んでいる)が軽を運転しているときに会ってたんやろ、と下卑た笑いをする。営業の人は素行が悪いから、とわたしも笑う。

美術部の展示が明日ある。人形を作っているのだが、間に合わない。以前作ったものに髪と服をつければいいのだが、顔が気に食わない。

好きな女の先輩の夢

2022.12.13

 

中学時代大好きだった女の先輩Aと、ふたたび高校で一緒になる。彼女はわたしが高校二年のとき、東大に行ったはずだが? 高校の制服は刷新されていてひらひらしたカーディガンを着る。その色によって学年がわかる。
授業は学年関係なく好きな席に座る。
カーテンの中から先輩が出てくる。
わたしは先輩にずっと好きだったことを告げる。先輩の作った俳句の美しさ(初秋や 親には聴かせられぬ曲)、吹奏楽部なのに長距離走で3位だったこと、ライス国務長官に似ていると言われていたこと。高校から髪を伸ばし始めたのはなぜ?と訊くと、彼女はわらって、バレー部の人たちを食ってやったの、と言う。先輩は男と女どちらが好きなのですか?と訊ねると、わたしはバイセクシュアルなの、と言う。


学校にあるジェルネイル屋さん、アイスクリーム屋さん、着付けの授業、雑魚寝する男たち

 

悪口を書かれた手紙の夢

夕方、保健室前、焦茶色の皮椅子の上に、わたし宛の封筒が落ちている。
そこにはわたしへの悪口が便箋四枚に綴ってある。罫線をはみ出す汚い字。赤いペンと黒いペンの二色づかい。差出人は「クラス全員より」となっている。 内容は、男子と仲良くするなといったもの。右上にわたしの誕生日が書いてあるが、11月18日になっている。正しくは7月だ。字が汚すぎる。これでは呪いすらかけられない。
わたしは、手紙をいつも一緒に帰るAに見せる。彼は大した反応をしない。次に四枚を椅子の上に広げ、先生のBに見せる。彼女はここにはそういうものがよく置かれるのだと言う。みんな驚いてくれない。つまらないなと思う。
クラス全員と書いてあるけど、差出人はあのグループの女子たちだろう。 彼女たちは男子に構ってもらいたくて仕方がない。
 

母親が男から猫をもらってくる夢

わたしはまだ高校生くらい、朝帰りが多くなる母親、男の影がする。ある朝、上機嫌な母親は、子猫を二匹持って帰る。
男の家にいたんだろ、と責め立てると、なにが悪いの?と開き直る。その猫は男の家から引き取ってきたものだ。
わたしは猫の首を絞めるが、手に爪を立ててくるばかりでなかなか死なない。
わたしはこいつらを保健所に連れて行く、じゃないと今飼っている猫のことまで嫌いになってしまうと泣きながら訴える。母親は男に電話をかけている。

不思議の国のアリス・遺伝・針仕事の夢

アリスと狼が螺旋階段をくるくる周り、追いかけっこしている。アリスが捕まれば食べられてしまう。手に汗握りながら見る。二人は階段を行ったり来たり、手すりの上まで使って、とうとうアリスは逃げ切る(階段の上へ?下へ? そもそもこれは赤ずきんではないか?)
幕間から全身を暗緑色に塗ったバイキンのような姿の男たちが大勢でてくる。アリスは力をなくす。狼の味方かと思ったらそうでもない。狼までぐったりしている。彼らは着々と客席に近づいてくる。これは過食症のメタファーだ。
舞台を超え、わたしたちに迫り、ついに暗緑色の皮膚がわたしの体にくっつきそうになる。それが嫌で金切り声を上げながら、さくらんぼ柄のタオルを両手に張って、自らを守ろうとする。そこまでしているのはわたしだけだ。


明るい客席、黒人の赤ん坊のくるぶしにシールを貼るA、見てごらんなさいと笑う。赤ん坊は立つことができない。ここに刺激をすると八割方の赤ん坊が立てなくなる。遺伝的なものだ。わたしはあなたはあんなによい脚本を書くのにどうしてこんなことをするのかと、怒りながら訊ねる。彼女は演劇を辞めてしまうのだと言う。


彼女に失望しながら針仕事をしている。泡だった糸切り鋏をBから借りたままだったので、返すことを催促される。謝って返す。本当に裁縫の上手い人は糸切り鋏ではなく、布切り鋏でなにもかも切ってしまうのではないかと思う。