9時ごろ起きる、白皙という言葉を忘れないようにメモしようとする
演劇の稽古。Aは男役をする、棒きれのようになった二の腕、青い太い血管の浮いた腕。化粧はしておらず肌が荒れている。A以外に二人が稽古している。不穏な日本の音楽。小道具が揃っていない、花が開くような手振りを繰り返す。
Aはわたしに「色が白いですね」と言う。わたしは夏になったらまた戻ってしまうよ、と言う。Aは早足で稽古に参加する。
ここは本来Bの部屋であり、Bの彼氏であるCはここにはいない。小学生が使うような勉強机が二つ、片方には椅子がない。部屋にはシングルの布団とダブルの布団がある。普段から分かれて眠っていることはBから聞いてある。きっとBの方がダブルの布団を使うのだろう。シングルの布団は脇に片付けられ、ダブルの布団は畳まれる。これは稽古で使うのだ。
Cはベランダに出てタバコを吸っている、自分のことをとても卑下している。わたしはそれを否定する。ベランダには大きな浅い穴が開いていて、そこにたくさんの吸殻が溜まっている。自分はこうしてタバコを吸うしかできないと言う。わたしはタバコが吸えませんと言う。