夢日記

夢がないのにユメちゃん、未来がないのにミラちゃん

結束バンドの夢

精神病院の思春期病棟にずっと入院している。そうすると、友達ができる。わたしたちは夜、消灯後、同じベッドで寝るまではしゃいだりする。それも咎められない。わたしたちはここから出ることができないのだから。


そんな中、Kの退院が決まる。しかもKはこれから高校生になるのだという。


入院しているとき、わたしたちが一番嫌なのはプラスチックのタグだ。主に手首につけられるのだが、ちくちくして、非常に気持ち悪いのに、退院まで取ることができない。Kの薬指には緑色の小さなタグと結束バンドが巻かれている。退院おめでとう、とわたしはそれらを鋏で切ってやる。すると、堰を切ったように、Kが泣き始める。なぜ泣くの、と質問するが返事ができないほどに泣く。Kは遠くから来た。「あそこでは星がよく見えた、ここでは、ここでは星が見えない」わたしは全てを理解する。そうか、K君は元いた場所で、誰かと結婚の約束をしたのだ。それがこの結束バンドだった。


わたしは病院を抜け出し、毛布にくるまって、腹ばいで山道を滑っていく。ものすごいスピードで。ひどい雨。桃色の生地に雨水が染みていく。それでもわたしは行かなくてはならない?どこへ?星がたくさん見える。線で繋ぐと何かになりそうだ。


しかし、わたしは大人に捕まってしまう。名前や住所を訊ねられるが、なにも答えることができない。連絡の取れる人は?と訊かれて、Kです。と答える。Kとは誰か?と訊かれる。恋人です。とわたしの口から嘘が飛び出す。Kは高校生になるんです、わたしは中学校にすら通っていないのに。この子は孤児か?と大人たちが騒つく。早く孤児院に連絡しよう、と話し合っている。


わたしは赤い折り畳み式の携帯で、この夢を記録しなければならないと思うが、指がうまく動かず、うまく書くことができない。あそこにパソコンがあるので、それを貸してもらおうと思う。

 


(Kの本名は星光である)